「ゴジラ」(2014年ギャレス・エドワーズ監督)を観ました。
1998年のアメリカ製ゴジラ(エメリッヒ監督)はイグアナでしたが、今回はさて、という気持ちで出かけました。
今回もビミョウですね、ゴリラが中に入ったコモドオオトカゲの着ぐるみ、でしょうか。
家族のありきたりな物語が付けあわせにしてありますが、ここはもちろんどうでもよろしい。
メインのゴジラをどう見せるかが大切です。
ストリップと同様で、隠蔽と露出の案配にかかっていると思います。
チラチラと見せながら最後に大開陳となるその過程を楽しみたいのですが、監督はわかっていないか、または才能がない。
しかも主役はゴジラのはずなのに、暴れ回るのはエイリアンのような昆虫もどきの怪物ムトーです。クライマックスはこのムトー対ゴジラの陳腐な戦い場面になります。脚本もデタラメです。
日本の初代ゴジラ(1954年本多猪四郎監督)には原爆の化身である異形の存在の放つ陰鬱な禍々しさがありました。
加えて荒れた粒子のモノクロ画面は古いドキュメンタリーフィルムを見るようなリアリティを感じさせました。
今回のゴジラ、パニック映画としても凡庸な、精細な大画面で見るCGテクノロジーの退屈な見せ物でしかありません。
しかし、こんなところでジュリエット・ビノシュに出会うとは思っていませんでした。
学校の先生にキャバクラで会ったみたいな感じです。