2010年 05月 03日
男性女性
この時期、仕事場所でよく質問されること。
なんでフランスは女で日本は男なの?エンピツは男で消しゴムが女なのはどうして?
毎度のことですが、ちゃんと答えられたためしがありません。
名詞に性を持たない日本語を母語とする私たちにとって、この問題はいつまでたってもよくわかりません。
なんかうまい説明はないものでしょうか。
だってそう決まってるんだからね。じゃあ誰が決めたの?知らないよ。サルコジ?昔の人?ナポレオン、ノストラダムス?教室の中は喧々諤々・・・
みなさんだって誰が決めたわけでもないのに、男として、あるいは女として生まれてきたでしょ、そういうもんですよ。もともと決まってるの。そういうこと?うーん、なんかちょっとちがうような。
みんながみんな男だったりみんなが女だったりしたらつまらないでしょ?そりゃそうだけど、それとこれとは話がちがうんじゃないですか。
つまるところ、宗教とか、そういう話になるのかなあ。まあ、世界観みたいな?原始的な世界のとらえ方。
中国の陰陽五行説みたいな。万物の生成は陰と陽から成る、というような。それを男と女としてみる。そういうことか。
言語学的に言えば、ただのジャンルですね。男だとか女だとかは単なる分類上の符牒にすぎない、と。
だったらエンピツはAグループ、消しゴムはBグループとしてもいいのかな。くまさんチームとうさぎさんチームみたいに。あるいはゼロ・グループと1グループ。世界はゼロと1から成る、と。
いずれにしても、とにかくなんか分類がしたいわけです。
言語というものがそもそも名付けることによって世界を分節し認識しようとするものだからね。
たとえば、性のない日本語でも、長いものは一本二本と数えるし、コロコロしたものは一個二個、ペラペラしたものは一枚二枚、機械みたいなのは一台二台だし、そうやって名詞を分類してると言われています。
でも、それにしても男と女という名前で分けるというのがなかなか意味深ですね。
なんでもないことにもついつい物語が生まれます。
エンピツと消しゴムが小さな筆箱の中でこっそりと睦みあっています、とか。そう考えると楽しいです。
筆箱の中が、エンピツばかりじゃ困ります。消しゴムばかりじゃ何を消せばいいっていうの?
昼下がりのフレンチレストランで、主婦ばかりが集まってもつまらない。愚痴と噂話しか出てこない。
料亭に背広の男たちが集っても、自慢話のあとはなにやらよからぬ謀(はかりごと)です。
やっぱり両方の性がバランスよく混じり合ってないと、生まれるものも生まれません。なにより無粋です。
フランスの古典的韻文は男性韻と女性韻を交互に配置して、悲劇の宿命を語るラシーヌ劇の十二音綴詩句など音楽のように美しい。
ところで、教室のきみたち、どうして男の子ばっかり、女の子ばっかりかたまって、そんなつまらない座り方をするんですか。
フランス式に座るという言い方があって、それは男女交互に座るという意味なんですよ。
by koyu320
| 2010-05-03 00:19
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