さざんかの株元に、植えた覚えのないセダムが増えて花が咲いています。
黄色い星をふりかけたみたいです。
ジャック・タチの三本立てを見ました。
『左側に気をつけろ』
オープニング、自転車に乗って疾走する郵便配達夫、はじめ誰だか分からなかったくらい若いタチのちょっとワイルドなボクシング姿、この日の三本立てプログラムの心躍る序曲でした。
『ぼくの伯父さんの授業』
無機的な高層ビルの一室、ユロ氏が、スーツ姿のおじさんたちに、階段の躓き方や壁のぶつかり方を教えるという、とてつもなく奇妙なレッスン。
なにからなにまで可笑しく、そしてタチの所作のなんと美しいこと!
『ぼくの伯父さんの休暇』
若き日のユロ氏が、オモチャのようなクルマを運転して、浜辺のホテルで夏のヴァカンスを過ごすという、考えただけでこんなにワクワクする贅沢な映画はありません。
ギャグの発想と造形の洒脱において、比類がないと言ってよいと思います。
文明批評への傾斜がなく、ここでは純粋にタチの笑いのデザインセンスが炸裂しています。