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カテゴリ:映画( 34 )

邪魔

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みねこちゃん、そこは邪魔です!


「美女と野獣」(クリストフ・ガンズ 2014)を観ました。

この映画にディズニー的なものを求めてはいけません。

野獣の来歴と「もののけ姫」に見るような森の神話を織りこもうとすることが作品の完成度のために良かったとは思えませんが、それがなければコクトー版のCGを使った二番煎じになっていたでしょう。

ヴァンサン・カッセルでは野獣のときと魔法が解けたときとあまり変わらないですね。
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by koyu320 | 2014-11-23 00:04 | 映画

ヒーターの代わり

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キーボードがほんのりと暖かいのでなにか作業しているとここに座ります。

画面にへんな文字列が発生、キーの機能もなにやら変更されてしまって元に戻せなくなってしまいました。


「素晴らしき日曜日」(1947)を観ました。

ほのぼのとしたハートウォーミングフィルムかと思いきや、終盤突然中北千枝子がスクリーンから私たちをまっすぐ見つめ話しはじめるのでびっくり。

「勝手にしやがれ」(1960)の中でベルモンドが画面の外に向かって喋るよりはるか10年以上も前のことです。
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by koyu320 | 2014-11-13 15:04 | 映画

窓辺

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お天気の日の午後は西日のあたる窓辺で気持ちよさそうです。


黒澤明特集(シネ・ヌーヴォ)で「酔いどれ天使」(1948)を観ました。

平日朝一番でしたが入り口に列が出来ていました。黒澤は人気です。

黒澤映画初登場の三船敏郎がすばらしいです。

虚勢を張って生きるヤクザ男のはかない生の輝きをギラギラと演じて、その破滅的な美しさはやはりサムライ的です。

前髪のたらし方がブライアン・フェリーを思わせますが、もちろん三船の方がずっと早い。
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by koyu320 | 2014-11-06 18:17 | 映画

アルゲリッチ 私こそ 音楽!

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「アルゲリッチ 私こそ、音楽!」を観ました。

3人の夫それぞれのあいだに出来た娘たちとの共同生活が、三女ステファニーによって撮影されました。

身内ならではのうちとけた表情をとらえたホームムーヴィのようなドキュメンタリー作品です。

アルゲリッチと娘たちは、さかりがついては次々と産んだ子猫たちと一緒に暮らす、牡たちはみなどこかへ去ってしまった、母猫を中心とした母系ファミリーに似ています。

メディア嫌いの彼女の素顔は飾らない大阪のおばちゃんのようですが、やはりこんなすごいおばちゃん、こんなすごい母親はどこにもいないでしょう。なにしろ彼女はアルゲリッチですから。

黒髪の美女であった稀代の天才ピアニストも今年73歳、銀髪のざんばら髪に太り肉の体形は山姥のようにも見えますが、ときに挿入される演奏場面のピアノからは真っ赤な血のような音楽が迸ります。
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by koyu320 | 2014-10-09 23:28 | 映画

九条の映画館で

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「清作の妻」(増村保造監督1965年大映)を観ました。

(以下、ネタバレです)

貧乏ゆえに老商人の妾となった女は、老人の死後、故郷の村に戻ってきます。女は若尾文子。

そこに模範表彰をうけた清作という男が軍務から帰還します。自分で誂えた鐘を持ち帰り、村の高所に吊るして、軍隊生活のときのように、毎朝、得意げに打ち鳴らします。男は田村高廣。

村の英雄である田村が、こともあろうに村八分の若尾に惚れ(それはなんといってもあまりに魅力的ですから)、まわりの反対を押し切って一緒になります。

石を投げられて生きる二人。

戦時下となり、ふたたびお国のために出征しようとする夫ですが、戦地にやりたくない妻は田村の目を五寸釘で潰します。

「お国のため」という時代の狂信に恋愛至上主義が真っ向挑みます。

田村はかつて自ら吊るした鐘を叩き落とします。盲目となることで目が啓いたのです。

私はバッドエンドの映画が嫌いではないのですが、この映画についてはハッピーエンドを期待しました。

主役を演じた二人の俳優が映画の世界観をすばらしく演じています。

この作品は日本映画の傑作だと思いました。
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by koyu320 | 2014-09-23 21:52 | 映画

1カ月

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猫がやってきて1ヶ月経ちました。


「「女の小箱」より夫が見た」(「増村保造監督の世界」シネヌーヴォ)を観ました。

夫にかまってもらえない欲求不満のカマトト妻(若尾文子)と、事業拡張のため彼女に接近するヤクザなマッチョ男(田宮二郎)。

色と金、保身と打算、浮気に殺傷沙汰、ドロドロの展開が煮詰まり、やがてそこから凄絶な純愛が浮かび上がります。

妖怪岸田今日子vsフェロモン怪獣若尾文子、昭和の女優はすごいです。

予備知識なく、へんてこなタイトルだと思いながらなにげに観たのですが、増村監督の凄腕の演出と若尾文子の妖艶な美貌に圧倒されました。
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by koyu320 | 2014-09-18 13:28 | 映画

大いなる沈黙へ

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「大いなる沈黙へーグランド・シャルトルーズ修道院」を観ました。

アルプス山中の男子修道院の様子をカメラにおさめたドキュメンタリー映画です。

監督が撮影したいと言って、よろしいという返事がきたのは16年後だったそうです。

ナレーションなし、音楽なし、照明なし、立ち入りは監督ひとり、という修道院側から提示された条件によって、映画自体がまるで修道院のような佇まいを持つことになりました。

射し入る陽光、ロウソクの明かり、風の音、鳥のさえずり、雪のとける水音。

鐘が鳴り、聖歌が響き、祈りの朗唱があるほか私語ひとつなく、日々の勤めが淡々と映し出されます。

このドキュメンタリーには、世の中から隔絶された修道院と修道僧をめぐる好奇の目がありません。

修道僧たちにはどんな苦労があり、どんな楽しみがあり、どんな家族がいて、どんな過去がある、ということには一切触れません。

ようするに、物語/歴史(histoire)が排除されています。

神には未来も過去もなく、あるのは現在だけだとひとりの盲目の僧が語ります。修道僧たちは人間ではなく神の弟子なのです。

3時間弱、清澄な時間が流れます。
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by koyu320 | 2014-09-09 16:09 | 映画

新緑

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『ある過去の行方』を見ました。

ややこしい家庭の大人や子供たちのこころ模様といったものがややこしくなく描かれていました。巧い映画ということですね。

劇中人物たちの感情生活の中心にひとつの事件が隠されていることが次第に明らかになるのですが、しかし事件の真相は明かされそうで結局のところ私たちにはさいごまでわかりません。

タマネギのように、皮の一枚一枚にこそ真実があって、たぶんすべてを剥き終わったときには何もないのかもしれません。映画はその一皮ずつの宙吊り(サスペンス)で2時間強を退屈させません。

同じ監督の『彼女の消えた浜辺』でも、語り口のサスペンスは見事でしたが、カフカ的な迷宮世界に興味はないにしても、無くてもよいと思えるラストを持ってくるところが私の個人的な感想としてはビミョウかな。

それにしてもヌーヴェルヴァーグはもちろんカソヴィッツにいたるまで、過去のほとんどのパリを舞台にした映画とちがってオーラを消し去ったパリの街が新しいです。
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by koyu320 | 2014-05-01 22:39 | 映画

スティーヴン・スピルバーグ『タンタンの冒険』

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よく調べないで行ったので、吹き替え版で見ることに。英語を喋るタンタンなら日本語でよかったかな。

ニッカーボッカーズ姿のかわいいヒーロー、名犬、謎解き、海賊、チャンバラ、クラシックカー・・・

スピルバーグの円熟の演出とコンピューターグラフィックの驚異的な進化に、タンタンの牧歌的な冒険活劇世界が融合して、最強のエンタテイメントになりました。
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by koyu320 | 2011-12-12 19:12 | 映画

クロード・シャブロル『最後の賭け』/トム・シックス『ムカデ人間』

コレオプシス。

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『最後の賭け』。年の離れた詐欺カップルの息の合いかたというか合わなさ具合が楽しいです。

ミシェル・セローの方はしぶとく老獪、イザベル・ユペールは身勝手でしたたか、ちまちました詐欺で小金をかせいで暮らすこのふたりがマフィアの金に手をだしてしまい怖い思いをする。

ふたりの掛け合いがおもしろいのでサスペンスは二の次かと思っていると後半しっかりとハラハラする展開になります。

『ムカデ人間』の方は同じ映画館でやっていたので蛇女の見世物小屋に入るような気分でちょっと勇気を出して覗いてみました。

エド・ウッド的なB級ホラーの匂いがぷんぷん、グロ、エロ、笑いもあり。

グロは映像ではなくむしろ見る人の想像力の中に生起します。

マンガにするとおもしろいかも。パート2があるようです。
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by koyu320 | 2011-08-26 11:26 | 映画